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やればできる!身近な自治体からその一歩を

伊東敬文コペンハーゲン大学主任研究員の
「超高齢社会日本の高齢者政策の問題と可能性を探る」を聞いて

02年9月22日 更新

2002年6月 蒲原歯科診療所 吉田万三 

 日本とデンマークの福祉政策を比較しながら、ビデオ等も使っての大変刺激的な講演でした。すばらしい国の紹介ではなく、何故デンマークが可能で、日本は可能でないのか、そこに住む人間は本質的に違うのか、それが見えてこなければ私たちが何から足を踏み出していいのかが見えてきません。

 デンマークでは1979年から82年にかけて福祉省高齢者委員会で高齢者福祉の三原則

  1. 自己決定の尊重
  2. 生活の継続性の尊重
  3. 残存能力の活用。自助に至るまでの援助

を定め、その具体策として、サービスメニューを増やすこと、施設の在宅化・個室化、24時間在宅ケア、リハビリ事業の充実、補助器具の活用、等々に取り組んできた事などが紹介されました。

 長期的見通しに立っての施策の展開にも、日本との落差を感じましたが、私はデンマーク人の国民性を聞いて、むしろホッとした思いでした。要するにデンマーク人は商売熱心で、なかなか実利的な国民だそうです。特別にヒューマニズムに富んだ優しい国民という訳ではないとのこと。自分たちが納めた税金が、国民のために最も効率的に使われるように、しっかりと計算した結果が現在の福祉の水準をつくったのです。

 日本人も十分に優しく、十分に実利的です。「やればできる」はずです。同時に日本的現実から出発して一歩一歩前進する創造性が求められていると思います。税金の使い方を暮らしや福祉を大切にする使い方に変える政治的な転換と、それぞれの地域での住民自身の様々な活動や運動が今こそ重要なのだと感じました。私たちが生活する身近な自治体からこそ、私たちの歩みが始まる時代です。

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